一人ひとりによって処置を変える必要性

看護師が活躍できる場所として注目されているのが、学習障害の人たちをサポートする施設です。日本の学習障害のサポートは、長年、欧米諸国よりも遅れているといった評価を受けてきました。ようやく国内でも、学習障害に悩む子どもや大人を支える医療体制が整い、現在では専門的な施設が日本の各都市に設けられています。
まだまだ人員が充分ではない施設があり、有能な看護師の募集が行われているのが実情です。一般的な医療機関で働くことももちろん非常に有意義であり、看護師として安定したキャリアとポストを得られる道です。ですが、学習障害のサポートに関心がある人や、新しい分野で今まで学んできたスキルを試したいと考えている人は、一度前向きに転身を計画してみましょう。

学習障害の子どもや大人を支えるためには、発達障害全般への正しい理解が不可欠です。一口に学習障害といっても、困っていることやできないことは十人十色です。個人個人によって処置を臨機応変に変える必要があるだけでなく、認知機能にハンディキャップを持つ人にはアドバイスの伝え方も工夫が必須です。
例えば、視覚よりも聴覚の認知機能が優位な学習障害の人には、既存のマニュアルや図解による伝達はあまり効率的ではありません。それよりも、音声を中心としたコミュニケーションの方が、アドバイスが伝わりやすいのです。一緒にマニュアルを音読したり、音声ガイド付きの動画をカウンセリングに導入したりと、聴覚優位な個性に合致した看護師の対応が求められます。